忙しい現代人は、自宅で調理をする機会が減り、手軽な加工品や調理済みの食品を多く買うようになりました。
現代人の栄養バランスは偏りがちです。中には、朝・昼・晩、三食しっかり食べていても「栄養失調になる」ケースも、多数報告されています。ここでは、私たちが陥りやすい「葉酸不足と食生活」の関係について、見ていくことにしましょう。
普段から不足しやすい葉酸
葉酸は一生を通じて必要な栄養素です。一般の成人でも、葉酸の必要量はカバーできていないという調査結果があります。葉酸や必須ビタミンの摂取は不足しないよう、普段から意識して取るようにしましょう。
どうして不足するの?
現代人は、野菜や果物を取る機会が少なくなりました。スナック菓子、脂質の多いもの、パンや穀物中心の食生活が浸透するようになり、必要なビタミンや栄養が、食事から取れなくなっているのです。
加工品と葉酸の量
私たちの好きな食べ物には、どれくらいの葉酸が含まれているのでしょう? 身近な加工品から「葉酸の量」を測定してみました。
ハンバーガー(1個) 50.08μg |
醤油ラーメン(1杯) 41.36μg |
からあげ(中3個) 10.34μg |
かけうどん(1杯) 36.29μg |
カップ麺 18.9μg |
チャーハン 41.01μg |
カレー 41.25μg |
アイスコーヒー 0.0μg |
サンドイッチ(食パン2枚分) 52.25μg |
鮭おにぎり(1個)
22.9μg |
ドーナツ
16.05μg |
ソース焼きそば
50.84μg |
ビール350ml 24.78μg |
餃子(1人前) 0.0μg |
フライドポテト 47.25μg |
コーラ 0.0μg |
このように、加工品や調理品の中に含まれる量はわずかです。野菜を使っている調理品でも、葉酸の量は50μgに満たないことが多いです。成人の場合は、1日あたり240μグラムの推奨量をカバーできるよう、葉酸を意識して取るようにしましょう。
葉酸の抗酸化作用(錆びない体づくり)
葉酸には、体内の酸化を防ぐ作用「抗酸化作用」があります。抗酸化作用は、体内の血管や細胞を傷つける「活性酸素」を抑えるる働きがあります。抗酸化作用のある食品を摂取すれば、加齢の原因を抑え、老化を食い止めることができます。
外食や添加物の多い食事を取る方は、葉酸のような「抗酸化作用のある栄養素」を摂取しましょう。葉酸のほか、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイド、アスタキサンチンにも、抗酸化成分が豊富に含まれています。
葉酸 | ビタミンA | ビタミンC |
---|---|---|
キャベツ、枝豆、パセリなど | ニンジン、カボチャ | イチゴ、ブロッコリー |
ビタミンE | ポリフェノール | カロテノイド |
アーモンド、ナッツ類 | 緑茶、ゴマ、ブルーベリー | トマト、スイカ、唐辛子 |
葉酸を破壊する成分
葉酸を摂取しても、喫煙やアルコールの摂取で、体内の葉酸が不足してしまいます。これは、タバコやアルコールを摂取することで、体内の葉酸が通常よりも多く消費されるからです。
喫煙者の方や普段からお酒を飲む機会が多い方は、慢性的に葉酸が不足しています。酒量やタバコの量を抑えるのはもちろんですが、普段から、葉酸やビタミンを多く含む食品を積極的に取るようにしてください。
また、外食の機会が多く「食事から補うのが難しい」方は、葉酸サプリメントで、不足する成分を補うようにしましょう。
葉酸の多く取れる献立は?
「貧血予防に効果のあるレシピ」には、葉酸が多く含まれています。小松菜やキャベツ、ピーマンなどの野菜炒めは、葉酸が不足しがちな方にオススメのメニューです。味付けには、ゴマや海苔を添えて、補える葉酸の量を多くしましょう。
また、葉酸は水や熱に弱い栄養素です。葉酸を効率よく摂取するには、生のサラダや加熱の少ない方法で、調理するようにしてください。加熱する場合は、野菜の量を多めにすることで、必要な葉酸やビタミンが補えます。
葉酸「レバー」の量には注意!
葉酸が豊富な食材には「レバー」があります。しかし、レバーばかり食べてしまっては、葉酸の過剰摂取だけでなく、通風の原因となる「プリン体の取り過ぎが」心配です。
レバーを毎日食べる場合は、1日わずかな量にしておきましょう。例えば、レバーの甘露煮100グラムあたり(小皿1つ分)には、1,100μgもの葉酸が含まれています。
厚生労働省の資料では、1,000μgを越える葉酸摂取は「過剰摂取」として扱われています。レバーばかり集中して取るのではなく、野菜や果物など、栄養はバランス良く補うようにしましょう。
足りない時、外食が多いときには葉酸サプリメントを!
いかがでしたか? 私たち「現代人」の葉酸不足は、深刻な問題です。普段から、葉酸の量が足りないという方や外食の機会が多い方は、和食や野菜中心のメニューで、葉酸不足を解消しましょう。
特に、脂っぽい物が好きな方やストレスの多い方、お酒やタバコが好きな方は、葉酸やビタミンを意識して取り、体の酸化を防ぐようにしてくださいまた、食事でカバーするのが難しい場合は、栄養補助食品や葉酸サプリメントで補うと良いでしょう。