葉酸の配合量は、それぞれの食品、サプリメントによって大きく異なります。また、サプリメントの中にもさまざまな種類があり、配合量は製品やメーカーによって違っています。ここでは「葉酸の含有量」について、代表的な食品やサプリメントを例に説明したいと思います。
葉酸の配合量①「食品」
葉酸の多く含まれる食材には、葉酸の発見につながった「ホウレン草」が有名です。また、葉物の野菜、果物には葉酸が多く含まれます。意外な食材としては、海苔、抹茶、レバーなどにも大量の葉酸が含まれています。
食品名 | 100グラムあたりの含有量 |
---|---|
海苔 | 1,900μg |
鶏レバー | 1,300μg |
抹茶(粉末) | 1,200μg |
牛レバー | 1,000μg |
モロヘイヤ | 250μg |
パセリ | 220μg |
ライチ | 100μg |
意外なことに、野菜や果物よりも、海苔やレバーの方が、より多くの葉酸が含まれています。
レバーの取り過ぎに注意・・・その理由は?
牛や鶏(豚も含む)のレバーには、ビタミンAが大量に含まれていますが、ビタミンAを多く取り過ぎると、頭痛や吐き気などの原因が出るので注意が必要です。
妊娠中の女性は「レバーで貧血を予防しよう!」と、大量に食べる方が多いのですが、過剰摂取にならないよう気をつけてください。過剰摂取や頭痛を避けるのなら、野菜などの葉酸を取るのが一番です。また、急な葉酸不足の症状には、即効性の高いサプリメントで補うと良いでしょう。
食品から摂取すれば安心?
食品から葉酸を摂取すれば、過剰摂取の危険性は回避できます。しかし、最もネックなのは「食品からの摂取は、体内への吸収率が悪い」という点です。
食品の栄養素は、調理などによって損なわれます。特に、葉酸のような水溶性の食品は加熱や水洗い、煮炊きによって大部分の成分が失われるのです。食事を取っているのに「栄養失調になる」のは、こうした理由があります。
葉酸の配合量②「サプリメント」
サプリメントの場合、1錠あたりの葉酸含有量には幅があります。
サプリメント・平均の含有量
ただ、多くのサプリメントは「1日の葉酸推奨量」を基準に400㎍にしていることが多いです。1錠を飲めば、1日に必要な葉酸が補えるというコンセプトで作られています。
サプリメントは大きく分けて2種類あります。1つ目は、化学的に葉酸を抽出したサプリメント(合成由来)で、2つ目は大麦若葉やパセリ、ブロッコリー、セロリなど野菜を中心に「天然成分」から作られたサプリメント(天然由来)です。
合成由来の製品は価格も手ごろで、体内の吸収率に優れています。また、摂取したほぼすべて(約85%)の栄養素は体内に吸収されます。ドラッグストアや量販店で手に入る「葉酸サプリメント」の多くはこれら合成由来の製品です。
これに対し、天然由来の成分は、ほぼ「食事で取っているのと同じ」感覚で摂取できます。ただ吸収率が悪いため、摂取した30%〜50%しか体内に吸収されません。
このため、妊娠中の女性には「合成由来の葉酸」を摂取するよう(厚生労働省)指定されています。天然由来の場合、400㎍の量を取ったとしても、実際の吸収量は200㎍以下に落ちていることがほとんどです。サプリメントで栄養不足にならないよう、成分の配合量(含有量)には十分注意をしましょう。
葉酸が、より多く含まれるのは?
天然由来の場合、使用する原材料によって含まれる葉酸の量は異なります。これは、食品も同じです。パセリやホウレン草など、同じ葉物野菜でも含有量は異なります。食事で摂取する場合は、より葉酸の多い食品を食べましょう。また、栄養素が損なわれないように、調理法や加熱時間には十分注意をしてください。
サプリメントの場合は、製品によって含まれる葉酸の量が異なります。ただ「葉酸」と書かれた製品に関しては、1錠(1日の摂取量)は、約400㎍になるよう計算されています。これは、妊娠中の女性の推奨量を意識したためです。妊婦さんだけでなく、出産後の女性も(1日あたり)380〜400㎍を目安に、葉酸を摂取しましょう。
葉酸は吸収率で選ぶべき?
葉酸は含有量だけでなく、体内の吸収率と合わせて取るようにしましょう。どんなにたくさんのホウレン草やパセリを食べても、天然由来の食品は30〜50%しか(体内に)吸収できません。
また、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで売られている調理済み食品やお弁当は、栄養がほとんど残っていません。加熱時間や調理法で栄養が抜けているからです。また、食品中に添加物が含まれるため、栄養の吸収が阻害されます。ヘルシー風のお弁当やお総菜が人気ですが、このような食事では栄養が不足してしまいます。外で買い食いをする場合は、十分注意しましょう。
葉酸を効率良く取るのなら、吸収率にすぐれた「合成由来の葉酸サプリメント」を摂取しましょう。合成が嫌な場合は、天然由来のサプリメントでも構いません。ただし。天然由来のサプリメントは吸収率が50%であると仮定し、倍の量(1粒⇒2粒にする)を取るなど、摂取量を調整してください。
葉酸の配合量:まとめ
このように、葉酸の配合量は食品やサプリメントによって異なります。また、配合量だけに注目するのではなく、吸収率によって口にする食品、サプリメントを変える必要があります。葉酸不足の方はぜひ、参考にしてみてください。