ここでは「葉酸が多く含まれる食品」について「前編」と「後編」に分けて紹介したいと思います。取り上げるジャンルは、以下の通りです。
本記事で取り上げる食品
なお、種類が多いため、今回は「代表的な食材」だけを厳選し、紹介することにします。
「前編」では、豆類、魚、魚介類、海草類、肉、卵、乳製品に含まれる葉酸(いずれも100グラムあたりの量)について説明します。
葉酸の量は多い or 少ない?
葉酸が多く含まれる食品には、レバーや葉物野菜(ほうれん草など)が知られています。ただ、他の食材については、どれくらいの葉酸が含まれているのでしょう? 本記事(前編・後編)では、葉酸の多い食材と「意外と少ない食材」の両方を見ていくことにします。
※ 各食材の中で「葉酸の多く含まれる食材」は、ピンク文字で表記しました。
穀類
「穀類」に含まれる葉酸の量は、それほど多くありません。特に、毎日食べているごはんやパスタには(葉酸は)ほとんど含まれていません。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
ロールパン | 38μg | パスタ(乾麺) | 13μg |
---|---|---|---|
ライ麦パン | 34μg | 中華麺(蒸し) | 4μg |
フランスパン | 33μg | ごはん(精白米) | 3μg |
ごはん(玄米) | 10μg | マフィン | 23μg |
ロールパン | 38μg | パスタ | 13μg |
【穀類】の中で、葉酸が多かったもの
主食だけで葉酸を補うのは、非常に難しいです。麺類やパン類、丼物が好きな方など「主食中心の」方は、葉酸不足にならないよう注意しましょう。栄養が足りない場合は、副菜で補うか(間食の際)果物から補うと良いでしょう。
豆類
日本食や私たちの食文化に欠かせない「豆類」ですが、葉酸の含まれる食品は、限られています。豆腐やおから、はるさめには、ほとんど葉酸が含まれません。一方、同じ豆類でもきな粉、納豆、乾燥小豆には、葉酸が豊富に含まれています。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
納豆 | 120μg | きな粉 | 250μg |
---|---|---|---|
豆乳 | 28μg | 乾燥あずき | 130μg |
はるさめ | 0μg | 豆腐 | 12μg |
えんどう豆 | 5μg | おから | 12μg |
【豆類】の中で、葉酸が多かったもの
苦手で無ければ、きな粉を牛乳に入れて飲んだり、毎日納豆を食べるようにすれば、葉酸不足を上手にカバーできます。
魚
刺身や生魚に含まれる葉酸の量はわずかですが、うなぎの肝やには、葉酸が豊富に含まれています。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
うなぎの肝 | 380μg | さんま | 17μg |
---|---|---|---|
煮干し | 74μg | しゃけ | 11μg |
あゆ | 33μg | はまち(生食) | 8μg |
ししゃも | 21μg | かれい | 23μg |
【魚】の中で、葉酸が多かったもの
また、うなぎの肝以外にも、たたみイワシやあんこうの肝にも、葉酸が多く含まれています。
魚介類
魚介類の中では、ウニやイクラの中に葉酸が多く含まれています。またタラコやエビ、かきの中にも一定量の葉酸が含まれています。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
ウニ | 360μg | 大正エビ | 46μg |
---|---|---|---|
イクラ | 100μg | かき | 40μg |
ほたて | 81μg | タラコ | 50μg |
はまぐり | 20μg | あさり | 11μg |
【魚介類】の中で、葉酸が多かったもの
食べ過ぎは良くありませんが、魚介や野菜をバランス良く取り入れ、栄養価の高い献立を考えてみてください。
海草類
ミネラルの豊富な海藻類には、葉酸も多く含まれています。特に、海苔の中には驚くほど多くの葉酸が含まれています。味付けや香り付けの際、少量の海藻類を加えてみましょう。毎日、必要な葉酸を補うことが可能です。
ただ、味付け海苔の場合は、醤油やみりんなどの調味料を使っているため「海苔の食べ過ぎ」には注意をしてください。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
乾燥わかめ | 440μg | 青のり | 260μg |
---|---|---|---|
昆布 | 170μg | とろろ昆布 | 32μg |
ひじき | 81μg | もずく | 2μg |
焼き海苔 | 1900μg | 寒天 | 0μg |
【海藻類】の中で、葉酸が多かったもの
肉
「葉酸」と言えば、果物や野菜のイメージが強いのですが、肉類の中にもたくさんの葉酸が含まれています。中でもレバー類(鶏・豚・牛)には、葉酸が豊富に含まれています。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
鶏のレバー | 1,300μg | 牛ひき肉 | 7μg |
---|---|---|---|
豚のレバー | 810μg | 鶏砂肝 | 36μg |
牛のレバー | 1,000μg | 牛ヒレ肉 | 8μg |
鶏の心臓(ハツ) | 43μg | 鶏もも肉 | 11μg |
【肉】の中で、葉酸が多かったもの
実際に、貧血や「葉酸不足」が疑われると、レバーや野菜を多く取るよう、医師から勧められます。
卵
卵の中でも、得に葉酸が多く含まれるのは「卵黄」です。茹でたり加熱をしても、ある程度の葉酸が摂取できます。一方、同じ卵でも「卵白」には、葉酸がほとんど含まれていません。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
卵黄 | 140μg | 生卵 | 43μg |
---|---|---|---|
うずら卵 | 91μg | ピータン | 63μg |
ゆで卵 | 35μg | うずらの水煮 | 47μg |
卵豆腐(加工品) | 18μg | 卵白 | 2μg |
【卵】の中で、葉酸が多かったもの
乳製品
他の食品に比べると少ないのですが、チーズの中にも、少量の葉酸が含まれています。中でも、カマンベールチーズの中には、サツマイモと同量の葉酸が含まれています。
種別 | 葉酸の量(100gあたり) | 種別 | 葉酸の量(100gあたり) |
プロセスチーズ | 27μg | 牛乳 | 5μg |
---|---|---|---|
カマンベールチーズ | 47μg | 生クリーム(植物性) | 3μg |
ヨーグルト | 11μg | アイスクリーム | 0μg |
パルメザンチーズ | 10μg | カッテージチーズ | 21μg |
【乳製品】の中で、葉酸が多かったもの
前編・葉酸の量が「最も多かった」食品
豆類、魚、魚介類、海草類、肉、卵、乳製品の中で「葉酸の含有量」が多いのは、肉(レバー)類、海藻類、魚介(イクラ・ウニ)類でした。中でも、肝やレバー、海藻類の中では、焼き海苔と味付け海苔に、葉酸が多く含まれていました。
- 鶏レバー・・・1,300μg
- 牛レバー・・・1,300μg
- うなぎの肝・・・380μg
- 焼き海苔・・・1,900μg
- 味付け海苔・・・1,600μg