健康な毎日には、葉酸やビタミン、必要な栄養素の摂取が欠かせません。ただ、どれくらいの葉酸を取れば、健やかな状態が保てるのでしょうか? ここでは、葉酸の推奨量と正しい取り方について説明します。
葉酸・どのくらい不足しているの?
毎日、適度な野菜や果物を食べ、バランスの良い食事を心がけていれば、葉酸が不足することはありません。ただ、飲酒や喫煙によって、体内の葉酸濃度は低下します。また、胎児の生育に葉酸を多く必要とする妊娠中の方、栄養の吸収率が低下する高齢の方は、全体的に葉酸が不足しがちになります。
種別 | 摂取している葉酸の平均量(1日あたり) |
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健康的な生活を送っている方(20歳以上) | 294μg |
食事の偏りがちな方 | 170~200μg |
喫煙をされる方 | 170~200μg |
このほか、カップラーメンやインスタント食品などの加工品に頼った食事をしていると、葉酸や酵素やたんぱく質が不足し、健康を損なってしまいます。
栄養のバランスが気になる時には「ビタミン類」を意識して取るようにしましょう。葉酸は、必要なたんぱく質や細胞の生成を助け、健康な状態を保つ働きがあります。また、慢性的なだるさや体調不良を改善し、疾患を予防するほか、ストレスを緩和する働きがあります。
ストレスと葉酸の量
葉酸は「脳や神経の正常な働き」に関係する栄養素です。葉酸を取ることで、精神の安定やホルモンバランスを安定させる作用が期待できます。仕事や家事でストレスを抱えている方は、葉酸などのビタミンを意識して摂取しましょう。葉酸は、ストレスの軽減のほか、うつの予防や症状の改善にも効果的な栄養素です。
葉酸と冷え性の改善
葉酸は「血の巡りを良くする」作用があり、冷え症の改善にも効果的な栄養素です。真夏でも手足が冷える、冬場は寒くて眠れないという方は、葉酸などのビタミン、必要な栄養素を補うようにしましょう。
葉酸・1日の推奨量
葉酸の推奨量は、1日あたり240・(20歳以上の成人)です。また、乳幼児や10代の若者の葉酸推奨量は、以下の通りです。
年齢 | 葉酸の推奨量(日) |
---|---|
0~5ヵ月 | – |
6~11ヵ月 | – |
1~2歳 | 90μg |
3~5歳 | 100μg |
6~7歳 | 130μg |
8~9歳 | 150μg |
10~11歳 | 180μg |
12~14歳 | 230μg |
15~17歳 | 250μg |
18~20歳 | 240μg |
乳幼児に必要な葉酸量はわずかです。ただ、成長期を迎える12歳~14歳の時期と、15歳~17歳頃には、必要な葉酸の量が多くなります。この時期には栄養が偏らないよう、バランスの良い食事を心がけるようにしてください。
成長期を過ぎ、18歳を越えるようになると、私たち「成人の推奨量」と同じ数値(1日240μg)に落ち着きます。
葉酸・過剰摂取の注意点
普段から葉物の野菜や果物など、栄養のバランスに気を配っている方であれば、葉酸が不足することはありません。
成長期の子どもや若者、妊娠中の方、喫煙中の方、飲酒の機会が多い方は、葉酸が不足しがちですが、それ以外の方は「必要量を超えて過剰摂取しないよう」栄養の取り方に注意しましょう。
葉酸・年代別に推奨される量
葉酸の推奨量を年代別に見ておきましょう(20歳未満の数値は、表1を参考のこと)。
年齢 | 葉酸の推奨量(日) |
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20~29歳 | 240μg |
30~49歳 | 240μg |
50~69歳 | 240μg |
70歳以上 | 240μg |
妊娠中 | 480μg |
授乳中 | 340μg |
妊娠中に葉酸の推奨量が上がるのは、胎児の発育に、大量の葉酸が必要になるからです。葉酸は、細胞の生成や赤血球の生成、造血作用のほか、胎児の先天的疾患を防ぐ役割があります。
産後も葉酸の摂取を続けるべき?
出産後も1日あたり、340μgの葉酸摂取が推奨されています。母乳を通じて「胎児に必要な栄養が与えられる」ようにしましょう。葉酸は胎児の健康だけでなく、産後の母体を回復させる効果(細胞の再生作用)があります。
必要な葉酸、ビタミン類のほか、不足しがちな鉄分、カルシウムもバランス良く補うようにしましょう。