葉酸には、血中の危険因子「ホモシステイン」の働きを抑え、動脈硬化の発症リスクを下げる働きがあります。また、動脈硬化を防ぐことは、心筋梗塞や脳卒中の予防にも繋がることになります。
ここでは葉酸がどのように働き、健康な状態をつくっているのか「葉酸と動脈硬化のメカニズム」について見てみることにしましょう。
動脈硬化はなぜ起こるのか?
動脈内で中性脂肪やコレステロールが固まると動脈硬化が起こります。動脈が詰まると血が流れにくくなるほか、血管に負担がかかり、動脈自身がもろくなってしまいます。
動脈硬化が出やすい場所
「動脈硬化」は、動脈の壁が厚くなるほか、動脈の構造が堅くなり血管の働きが悪くなります。また、動脈硬化は心臓だけでなく、脳、腎臓、内臓、手足、頚部で起こりやすくなります。
動脈硬化の起こる年齢
動脈硬化は、中高年や高齢者だけの病気ではありません。30代になれば誰でも、動脈硬化が起こりやすくなります。また、動脈硬化の初期病変が見られるのは、10歳からと言われています。若くして動脈硬化にならないよう、生活習慣(主に食生活)には気をつけるようにしましょう。正しい生活習慣を見つければ、動脈硬化の発症リスクは低く抑えられます。
欧米型の食事は危険因子が多い?
特に欧米型の食事は脂質など、血管を詰まらせる「危険因子」が多く潜んでいます。ビタミン、特に葉酸を摂取し、血管の詰まりにくい状態を保ちましょう(予防法については、記事の後半で説明)。
動脈硬化の「危険因子」とは
動脈硬化を起こす原因には、栄養不足(生活習慣)のほか、ストレス、高血圧、喫煙、肥満、高脂血症、糖尿病などがあります。こうした因子が多ければ多いほど、動脈硬化の発症リスクは高くなります。
動脈硬化の症状
動脈硬化が起こると、血管が詰まりやすくなり、以下の症状が現れはじめます。また、放っておくと血液が流れなくなり、血管が壊死することもあるので、危険な状況を招きます。
心臓への負担が大きくなる | 臓器や組織が正常に機能しなくなる |
血管が破裂する | 臓器や組織が壊死してしまう |
動脈硬化が引き起こす病気
動脈硬化が進行すると、以下のような病気にかかってしまいます。気になる症状があれば、早めに治療を受けましょう。症状をそのまま放っておくと、死に繋がる重大な事態を招きかねません…。
動脈硬化が引き起こす病気
動脈硬化を予防するには?
動脈硬化を食い止めるには、適度な運動、バランスの良い食事が必要です。また、動脈硬化の原因をブロックするため、以下の「食事習慣」を身に付けるようにしましょう。
動脈硬化を予防する方法6つ!
- 葉酸などのビタミンを毎日取る
- 血栓を溶かすナットウキナーゼを取る
- 血管の弾力性を良くするDHAを取る
- 抗酸化作用のあるポリフェノールを取る
- コレステロールの吸収を抑えるアルギン酸を取る
- 血小板が固まるのを防ぐ、クエン酸を取る
葉酸などのビタミンは、動脈硬化の原因となるホモシステインを抑える働きがあります。このほか、血管や血栓を無くす「良い因子」として、ナットウキナーゼなどの栄養素があります。DHAやポリフェノール、アルギン酸などと合わせて「血管のコンディション」を整えるようにしましょう。
葉酸は、動脈硬化を予防する
葉酸は「動脈硬化の予防」に、最適な栄養素です。葉酸を摂取することで、血中の危険因子(ホモシステイン)の濃度を下げ、血管の詰まりが起こりにくくなるのです。ストレスの貯まりやすい方、高血圧、喫煙をされる方、肥満、高脂血症、糖尿病を煩っている方は、必要な治療と合わせて、葉酸を多く取るようにしましょう。
葉酸を摂取すると、ホモシステインの上昇が抑えられ、動脈を健康な状態に保ってくれます。成人病の予防としてもぜひ「推奨される葉酸」を毎日取るようにしてください。
また、30代以降の方は300μg~400μgを目安に「やや多めの葉酸」を取ってもOKです。ただし、1,000μgを越える葉酸摂取は控えてください。多く取り過ぎると、過敏症やアレルギー反応を引き起こすため危険です。
継続して葉酸を取ることが大切
ホモシステインに関わる、たんぱく質やアミノ酸の代謝は毎日行われています。このため、葉酸はまとめて一気に取るのではなく、毎日コツコツ継続して摂取しましょう。必要な葉酸を補えば、ホモシステインの上昇を抑え、成人病の予防に繋がるからです。
葉酸はストックできない
葉酸は体内に貯蔵できない栄養素です。不足しないよう、毎日「推奨される量」を補うようにしてください。食事だけで取るのが難しければ、葉酸サプリメントやさまざまな栄養補助食品を上手に取り入れましょう。