「葉酸欠乏症」は、貧血やめまいのほか、食欲不振、下痢や味覚異常などの症状を引き起こします。ここでは、葉酸が不足することで起こる「葉酸欠乏症」について、発症のメカニズムと予防法について、説明しましょう。
葉酸欠乏症とは?
「葉酸欠乏症」とは、体内の葉酸が不足することで起こる病気(症状)を指します。
葉酸欠乏症の主な症状は、悪性貧血、疲労感、舌の炎症、味覚の低下などです。また、葉酸欠乏症が進行すると、意識障害や認知症の発症リスクも大きくなります。
葉酸欠乏症の治療
ビタミン剤による「投薬治療」が一般的です。多くの治療では、ビタミンB12を経口投与し、不足した栄養分を補います。
葉酸欠乏に陥りやすい、現代の食生活
葉酸不足は、食品を多く取っていても「食べ方」によって、損なわれることがあります。例えば、食材を加熱し過ぎたり、水に長時間さらしてしまうと、食品中の葉酸が流れ出し、必用なビタミンが取れなくなるのです。
また、過度のアルコールの摂取は、葉酸不足を招きます。アルコールが葉酸の吸収を妨げてしまうので、飲酒の回数や量には十分注意をしてください。
ビタミンの少ない食生活
現在は、ビタミン不足が深刻な問題です。私たちが大好きな米類、麺類、パン類には、葉酸がほとんど含まれていません。また、パン類にはビタミンを添加していますが、加熱する際に、栄養素の大部分が分解されてしまいます。
このほか、スイーツなどの甘い物にも、ビタミンが含まれず「現代人の好む食生活」を続けてしまうと、慢性的なビタミン・葉酸不足に陥ってしまうのです。
葉酸が損なわれるのは、こんな時
葉酸は水溶性のため、水に溶けやすく、加熱にも弱い成分です。また、アルカリや酸素に触れると「栄養素」が少なくなってしまいます。せっかく「葉酸含有量が多い」食品を食べていても、調理法を間違えては葉酸が取れなくなります。
食事で葉酸を補うのは難しい?
食事だけで葉酸を補うのは、非常に難しいです。食品から(体内に)吸収される葉酸は、約50%と言われています。
一方葉酸サプリメントの場合は、吸収率が大幅に上がります。葉酸サプリメントの種類や飲み方によって異なりますが、約80%085%もの吸収率があり、葉酸欠乏症の治療や葉酸不足の予防に対して、ふさわしい役目を果たします。
葉酸が多すぎてもNG!
葉酸欠乏症を防ぐことも大切ですが、葉酸を過剰に摂取しては「葉酸過敏症」を発症します。葉酸過敏症は、1日の摂取量が1gから1,000gで起こる症状です。
葉酸過敏症の主な症状
葉酸を摂取する場合は、必ず「推奨される量」を守りましょう。また、葉酸サプリメントで補う場合も、用法と用量を確認してから服用しましょう。
葉酸をバランスよく摂取するには
食事から補うことを基本とし、1日「240μg」を目安に、必要な量の葉酸、ビタミン、その他の栄養素を補うようにしましょう。
また、妊娠中や出産後、成長期、葉酸の吸収が衰える年齢の方は、通常よりもやや多め
(400μgを目安に)葉酸を補うようにしてください。ただし、1日に1,000μgを越える摂取は、葉酸過敏症の原因となるので気をつけましょう。
葉酸サプリメントにも吸収力の落ちるものがある?
サプリメントの中にも「食品を主成分」としたものは、体内吸収率は落ちます。吸収率を高めたい方は、天然成分から抽出したものでなく、化学抽出した葉酸サプリメントを使用しましょう。
注:化学抽出したサプリメントに抵抗がある場合は、食事と天然サプリメントを「やや多めに摂取」しましょう。1日合計400μgを目安にしてください。