ここでは、葉酸が含まれる食品について説明します。「何にどれくらい葉酸が含まれるのか」含有量を知ることで、栄養のバランスや毎日の献立を考えるのに役立ちます。
買い物をする際には、葉酸が不足しないよう「葉酸の含まれる食材」を選ぶようにしましょう。また、足りない栄養素は栄養補助食品やサプリメントで、上手に補いましょう。
葉酸を含む野菜
野菜類には、葉酸が豊富に含まれています。特に、枝豆やパセリ、芽キャベツなど、緑色の野菜は、葉酸の含有量が多いです。旬の野菜で、美味しく葉酸を補いましょう。葉酸を含む代表的な野菜類は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) |
---|---|
えだまめ | 260μg |
パセリ | 220μg |
芽キャベツ | 220μg |
菜の花 | 190μg |
グリーンアスパラガス | 180μg |
ケール | 120μg |
ブロッコリー | 120μg |
ホウレンソウ | 110μg |
ブロッコリーやほうれんそう、ケールなどは、サプリメントや青汁の原料にもなる野菜です。食事で摂取するほか、栄養補助食品(サプリメントも含む)や青汁、酵素ドリンクなどで補うと良いでしょう。
葉酸を含む果物
果物の中にも葉酸が含まれています。野菜にくらべると葉酸の量はやや少なめですが、ライチやイチゴ、マンゴーなど、私たちの好きな果物には、必要な栄養素が含まれているのです。葉酸を含む代表的な果物は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) | 食品100gあたりに含まれるビタミンC量(mg) |
---|---|---|
ライチ | 100μg | 36mg |
いちご | 90μg | 62mg |
マンゴー | 84μg | 20mg |
バナナ | 26μg | 16mg |
みかん | 22μg | 32mg |
果物は、ビタミン類は豊富ですが、葉酸の量は野菜ほど多くありません。それでも、生のままで食べられるので、野菜よりも多く吸収することが可能です。
また、果物に含まれるビタミンCは、葉酸の吸収率を高めてくれます。葉酸と合わせて、果物を適度に取るようにすれば、効率よく必要な栄養が補えます。
葉酸を含む肉と魚
葉酸と言えば、野菜のイメージが強いのですが、肉や魚にも葉酸が豊富に含まれています。特にレバー類には、葉酸が豊富に含まれており、貧血の予防にも「レバーを適度に食べるよう」推奨されています。葉酸を含む肉と魚は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) |
---|---|
鶏レバー | 1,300μg |
牛レバー | 1,000μg |
豚レバー | 810μg |
うなぎの肝 | 380μg |
たたみイワシ | 300μg |
ウニ | 360μg |
いくら | 100μg |
アンコウの肝 | 88μg |
煮干し | 74μg |
レバーが苦手な場合は、レバーペーストや味付け(タレで煮込むなど)工夫して取ると良いでしょう。また、いくらやウニなど魚介類で葉酸を補うことができます。
葉酸を含む海藻類
海藻類の中には、葉酸が豊富に含まれています。特に、のり類にはたくさんの葉酸が含まれており、焼き海苔や味付け海苔の葉酸含有量は、緑黄色野菜を上回る大きな数字となっています。葉酸を含む海藻類は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) |
---|---|
焼き海苔 | 1,900μg |
味付け海苔 | 1,600μg |
乾燥わかめ | 440μg |
昆布 | 170μg |
乾燥ひじき | 84μg |
和食を食べる際には、焼き海苔や味付け海苔を使い、味噌汁には乾燥わかめや昆布、煮物には、乾燥ひじきを使うと、沢山の葉酸が摂取できます。ただ、葉酸の過剰な摂取には気をつけてください。1日に必要な葉酸摂取量は、240μgでOKです(※ 妊娠中は440μg、授乳中は340μgを推奨)。
また、味付け海苔には調味料が使われているので(100gあたり4.3gの塩分)塩分を気にされる方は、塩分の少ない焼き海苔(100gあたり1.3gの塩分)を使うようにしましょう。
葉酸を含む豆類と木の実
豆類や木の実類にも、葉酸が含まれています。きな粉や大豆、あずき、納豆など、日本人には馴染みのある食品は、健康には欠かせない栄養素を含んでいるのです。葉酸を含む豆類・木の実類は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) | 食品100gあたりに含まれるタンパク質量(g) |
---|---|---|
きな粉 | 250μg | 35.5g |
乾燥大豆 | 230μg | 35.3g |
乾燥あずき | 130μg | 20.3g |
ごま | 150μg | 20.3g |
納豆 | 120μg | 16.5g |
また、豆類や木の実類には、良質な必須アミノ酸を含んでいます。これらの成分は、血中のコレステロールを低下させるほか、肥満の予防にも欠かせません。豆類と木の実類を適度に取り、良質の葉酸とたんぱく質を補うようにしましょう。
葉酸を含む乳製品
牛乳やチーズなど、乳製品の中にも葉酸が含まれていますが、野菜や肉・魚類に比べると(葉酸の量は)少ないです。葉酸を含む乳製品は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) | 食品100gあたりに含まれるカルシウム量(mg) |
---|---|---|
カマンベールチーズ | 47μg | 460mg |
プロセスチーズ | 27μg | 630mg |
ヨーグルト | 11μg | 120mg |
コーヒーミルク | 10μg | 30mg |
牛乳 | 5μg | 130mg |
ただ、乳製品にはカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯を丈夫にするほか、筋肉の働きを助ける優れた栄養素です。
乳製品・骨の健康に欠かせない栄養素!
妊娠中・授乳中は葉酸の摂取が推奨されていますが、カルシウムも同様に「大切な栄養素」のひとつです。骨の健康、骨粗しょう症の予防にも乳製品が、サポートしてくれます。葉酸と合わせて、バランスの良い摂取を心がけましょう。
葉酸を含む加工食品
コンビニやスーパーで手に入る加工食品の中にも、葉酸を含有する商品があります。例えば、ピーナッツバターや豆乳の中にも、必要な葉酸が含まれています。この中で最も葉酸の含有量が多いのは、緑色の野菜を使った漬け物、緑茶(日本茶)などの飲料でした。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) |
---|---|
からし菜の漬物 | 210μg |
日本茶 | 150mg |
ピーナツバター | 87μg |
ポテトチップス | 70μg |
豆乳 | 28μg |
ポップコーン | 22μg |
野菜ジュース | 10μg |
意外なことに、緑黄色野菜を使った「野菜ジュース」には、葉酸はそれほど多く含まれていませんでした。外出先でのどが渇いた時には、葉酸含有量の多い、日本茶で喉を潤すと良いでしょう。
葉酸を含む調味料
毎日使う調味料の中にも、葉酸が含まれています。中でも「酒粕」は、グリーンアスパラガスに匹敵する、たくさんの葉酸を含んでいます。葉酸を含む調味料は、以下の通りです。
食品名 | 食品100gあたりに含まれる葉酸の量(μg) |
---|---|
酒粕 | 170μg |
味噌 | 68μg |
醤油(濃口) | 33μg |
醤油(薄口) | 31μg |
めんつゆ | 17μg |
黒砂糖 | 10μg |
塩 | 0μg |
上白糖 | 0μg |
みりん | 0μg |
ただ、普段よく使う塩や砂糖には、葉酸が全く含まれていません。塩分などに気をつけながら、正しく調味料を使うようにしましょう。
食品から摂取するコツ
葉酸は水溶性のため、水に溶けやすい性質を持っています。食事で取る場合は、生で食べるか、加熱の時間を短くして食べるようにしましょう。果物の場合は、そのままで食べられるので、効率よく葉酸が摂取できます。
また、葉酸は光に弱い性質を持っているので、購入後はすぐに、日の当たらない場所(冷蔵庫など)で保管するようにしましょう。